給与はあがるのか?昨年の9,000円UPと2023年以降の賃上げ政策について
皆さんこんにちは、大阪介護転職ネットです!
今回は、昨年の給与月額9,000円アップと、今年以降の賃上げについてのお話です。
最近介護職の方からよく「今後介護職の給与アップは見込めるのか」という質問をいただきます。
そこで今回は、岸田首相の介護職の賃上げ政策に関する発言、9,000円アップの現状、そして介護職の給与の変遷などについてお話したいと思います。
去る2022年2月より、介護職のベースアップを目的に月額約9,000円の賃上げが行われました。当時は補助金という名前で実施された政策は、2022年10月から、3度目の処遇改善加算、「介護職員等ベースアップ等支援加算」として引き継がれました。
その後岸田首相は、2022年10月に「介護職の処遇改善を進める」と所信表明演説で述べています。
参照:岸田首相「介護職の処遇改善を進める」「公的価格を改善する」 所信表明演説で明言
その際首相は、「物価高、円安への対応と構造的な賃上げを掲げた上で、看護・介護・保育をはじめ、現場で働く方々の処遇改善や、業務の効率化、負担の軽減を進める」と発言しています。
就任当初から岸田首相が見せている積極的な姿勢は、2023年以降も介護職の賃上げを期待させるものとなっています。
しかし現状では、介護職員すべての方が月額9,000円アップしたかというと、決してそうではなく、現場からは一層の処遇改善が求められており、岸田首相にはさらに努力をしていただきたいと切に願います。
そして2023年1月時点で、介護職への新しい処遇改善の政策などは明らかにはなっていませんが、現在3つある処遇改善加算のシステムが煩雑で理解しにくいという理由から、3つをひとつに、一本化しようという案が浮上しています。
嬉しいニュース!! 処遇改善加算1本化へ!!
また、支給要件を見直すべきという現場からの声が多数上がっています。現在処遇改善は、分配する権限が事業所にあるため、介護職に十分な分配がされていない現状があります。
岸田首相には、ぜひともきちんと介護職の手に届くようにしていただきたいものです。
次に、5つのポイントで介護職の給与を見ていきましょう。
ポイント1 雇用形態別の介護士の年収・給与
ポイント2 施設形態による平均給与の差
ポイント3 勤続年数による平均給与の差
ポイント4 年齢や性別による平均給与の差
ポイント5 都道府県別の年収
ポイント1 雇用形態別の介護士の年収・給与
常勤(正社員)の平均年収
非常勤(パート・アルバイト、派遣社員)の時給は950円から1300円前後の場合が多く、アルバイトは最低賃金と変わらないことが多いです。
パート・アルバイトと派遣社員では、派遣社員の方が時給が高い傾向にあります。
ポイント2 施設形態による平均給与の差
こちらご覧いただくと分かりますが、特別養護老人ホームに該当する、「介護老人福祉施設」が最も高い結果となっています。
ポイント3 勤続年数による平均給与の差
こちらもご覧いただいて分かる通り、介護職でも長く同じ職場で働くことで確実に給与アップできることがわかります。
さらにリーダー職や管理職などの役職につけば、さらなる給与アップが見込めるでしょう。
出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
ポイント4 年齢や性別による平均給与の差
男性の平均年収は3,747,900円、女性の平均年収は3,289,800円となっています。
年齢別ではこのようにもなっています。
年齢を重ねるごとに徐々に多くなっていき、50歳を超えると下がっていく、というような傾向が見てとれます。
さらに詳しく見ていくと、男性と女性の給与に差が開いていますが、要因としては男性は勤続年数と共に役職などにつくことが挙げられるでしょう。
出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
ポイント5 都道府県別の年収
施設介護職員の年収が高い都道府県ベスト5
人が集まる関東地方や近畿地方などは、平均年収が高い傾向にあります。
都市部やその周辺には介護施設の数も多く、人手不足の点から求人が多いことが理由にあげられます。
さらに、都心の方が平均給与も高いことから「給与が低くなりにくい」とも言えます。
介護職員の年収が低い都道府県ワースト5
都市圏から離れるほど平均年収が低くなる傾向があります。
理由として地方は最低賃金が低く、雇用条件が改善されにくい状況があるためと考えられます。
ここまでご紹介した通り、介護職の給与は年齢、性別、地域などによって差はありますが、確かに上がっています。しかしそのペースは緩やかで、大きく上がりにくい傾向です。
その理由は2点考えられます。
1原資が介護報酬である
介護職の給与が上がりにくい理由のひとつとして、介護報酬にが頼りであるということがあります。
・介護事業所は、国から支給される介護報酬から運営費をまかないます。
・介護報酬は介護サービスを提供する保障として与えられるもので、上限が決められています。
・介護報酬の財源は、国民の納める税金などで支えられています。
以上のことから簡単に介護報酬の引き上げということができず、結果介護職の給与も上がりにくいという構図になっています。
2専門性が評価されにくい
介護福祉士という資格は国家資格であり、介護の専門家である証明なので、しっかりと給与に反映してくれる事業所がある一方、資格がなくても介護の仕事はできるため、資格や専門性が評価されにくい傾向にあります。
こうした中で収入を上げるにはどうすれば良いでしょう。主に3つの方法があります。
1副業をする
2019年4月1日に施行された働き方改革を機に、介護業界でも副業する人が増えています。家事代行サービスや在宅ワーク、他の業種のアルバイトなどがあります。
2転職する、昇格する、職種を変える
上に記した施設形態によって給与がだいぶ違います。また、会社の規模などによっても給与に差があります。色々な職場を転職によって経験しながら給与上げていく方法があります。
今の職場で介護リーダーなどの役職につく、職種を変えることで給与が上がる場合があります。
相談員やケアマネジャーは、給与が高い調査結果が出ています。
3給与のうちの少しでも資産運用する
資産運用とは自分が持っているお金を株式や投資信託などに投資運用することで効率的に増やしていく方法です。
投資というとマイナスのイメージを持つ人もいるかもしれませんが、堅実な運用方法を選択し、長期的に運用していけば年利数%でお金が増えていきます。
例えば、インデックス系の投資信託だと10年くらい何もせずに放っておいてもプラスになることがほとんどです。
もちろん資産運用にはメリットとデメリットがあるので、しっかり確認をすることが大切です。
「資産運用は自己責任」ということを肝に銘じ、自分自身でリスクを知り、リスクを取れる範囲で行いましょう。
将来の備えは早いほど良い?介護職に最適な資産形成を考えてみよう!
最後に、今後の介護職の給与がどうなるのか、また介護職の未来はどうなるのか考えてみたいと思います。
給与は今後も少しずつではありますが、上がっていくと考えています。
2024年の介護報酬改定に向けて以下の議論が進んでいます。
- 業務の効率化と経営の大規模化・協働化
- 介護施設・事業所等の経営状況の把握
- 利用者負担の見直し
- ケアマネジメントの利用者負担の導入等
- 多床室の室料負担の見直し
- 区分支給限度額の在り方の見直し
- 地域支援事業(介護予防・日常生活支援総合事業)の在り方の見直し
- 軽度者へのサービスの地域支援事業への移行等
- 軽度者に対する居宅療養管理指導サービス等の給付の適正化
- 介護給付費適正化事業(適正化計画)の見直し
- 居宅サービスについての保険者等の関与の在り方
介護職の給与に大いに関連することですのでこれからも注視していきたいと思います。
そして介護職の未来です。
今後も高齢者の方が増えるにしたがい、介護を必要とする方も増えることを考えると、介護職の需要は今以上に高まるでしょう。
その中で、岸田首相が介護職をはじめとしたエッセンシャルワーカーの処遇改善をはっきりと言及していることから、これからの待遇は良くなっていくと思います。
また介護の仕事はAIに仕事を奪われる可能性が低いと言われています。テクノロジーの進歩とともに、なくなる仕事が増えていく中でも、介護は需要が伸びていく仕事です。未来は明るいと筆者は考えます。
今回は「月額9,000円アップと今後の賃上げ政策」についてご紹介しました。いかがでしたでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。それではまた!
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