◤朗報◢ 血液検査で認知症が分かる!?早期診断が実現化
こんにちは。大阪介護転職ネットです。
先日、認知症の有無を判定する新しい血液検査法が開発されました。
今回は、血液検査による認知症診断の研究内容や、将来的な実用化についてお伝えします。ぜひ最後までお読みください。
2024年5月23日、岩坪威教授(東京大学神経病理学)のチームは、血液検査によりアルツハイマー病を判別する新たな方法を開発したと、国際医学誌にて発表しました。
アルツハイマー病は、異常なタンパク質である「アミロイドβ」と「タウタンパク」が体内に蓄積することで、病状が発症するといわれています。
研究では、認知症の初期段階にあたる「軽度認知症害(MCI)」の患者や、症状が現れる前の「プレクリニカル期」と診断を受けた方を対象に、計474人が血液検査を行いました。
血液中の「アミロイドβ」と「タウタンパク」の量を測定し、分析した結果、脳内にアミロイドβなどが蓄積しているかどうかを推定。
これらの結果を、アルツハイマー型認知症の診断に使用される「アミロイドPET」という画像診断と比較したところ、90%以上の精度が得られたそうです。
なお、日本人を対象に行われたのは今回が初となり、アルツハイマー病の早期診断において大いに貢献できるでしょう。
認知症の血液検査における目的はふたつあります。
ひとつめは、認知症の原因となるほかの病気を見つけるためです。たとえば、感染症や免疫の病気、甲状腺の病気、栄養素の不足など、内科的な病気によって認知症の症状を引き起こす可能性があります。
そのため、血液検査によって、これらの病気が存在するかどうかを調べる必要があります。
血液中に含まれる、赤血球や白血球などの量、ナトリウムやカルシウムといったの電解質などを調べることで、認知機能に影響を及ぼす可能性のある病気を発見することも可能です。
ふたつめは、認知症自体の診断です。血液検査による認知症の判別は、過去にもいくつかありました。特定のタンパク質のレベルを測定することによって、アルツハイマー病および、アルツハイマー型認知症の診断が可能になります。
◤ p-tau血液検査 ◢
「リン酸化タウ217(p-tau217)」というタンパク質の量を血液中で測定します。p-tau217は、アルツハイマー病の脳内で異常に蓄積されるタウタンパク質の一種です。体内への蓄積により、認知機能の低下と関連します。
◤ IP-MS法◢
血液中の「アミロイドβ」を測定するための手法です。p-tauと同様、アミロイドβも、アルツハイマー病の脳内で異常に蓄積されるタンパク質す。
◤ MCIスクリーニング検査 ◢
MCI(Mild Cognitive Impairment)とは、軽度認知障害を指し、アルツハイマー病などの一歩手前の状態です。MCIスクリーニング検査では、原因物質アミロイドβの蓄積状況を血液検査によって分析し、MCIを判定します。
昨年、日本でも発売開始となった新薬「レカネマブ」ですが、投与の必要性を調べる検査では、放射線を使用した「陽電子放射断層撮影(PET)」や、腰に針を刺して脳脊髄液を採取する「陽電子放射断層撮影(PET)」などが必須です。
そのため、特にお年寄りの方にとっては、かなり身体に負担がかかります。また、さきほど説明したアミロイドPETは、検査できる病院が限られており、費用も高額なため、気軽に受けられるものではありません。
したがって、血液検査による早期発見が実用化されれば、多くの人々が救われるでしょう。
しかし、血液検査のみで認知症を診断するのではなく、神経心理学的検査など、ほかの検査と併用して行われるため、あくまでも診断効率化をめざすものとなります。
認知症の種類や症状の違い、レカネマブに関しての詳細は、以下の過去記事をご覧ください。
今回は、新たな血液検査による認知症の診断についてご紹介しました。
これまで認知症は「治らない病気」として認識されていましたが、新薬「レカネマブ」や新たな検査方法の導入により、早期発見と治療で「治る病気」へと変化しつつあります。
さらに、検査の精度向上を目指した研究が進む中で、早期に実用化できれば、検査がより手軽になります。もし認知症と診断された場合でも、治療への移行がより迅速になるでしょう。
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