介護施設で取り入れられている園芸療法!目的や期待できる効果は?
皆さんこんにちは、 大阪介護転職ネット です。皆さんの中には、介護施設で野菜や花を育てている様子を見たことがある人もいるのではないでしょうか。しかし、単に自給自足のために野菜や花を育てているわけではありません。もっと深い意味を持った活動です。そこで、今回は、介護施設で取り入れられている園芸療法について解説します。
介護施設で園芸療法を行う目的
介護施設の園芸療法は、加齢により体の機能が低下し、日常生活が困難になっている高齢者や、認知機能が低下し、社会生活にさまざまな支障をきたしている高齢者が対象です。土を触ったり、水をやったりすることを通じて、損なわれた機能の回復を目指します。具体的な目的を挙げるなら次の5つです。
1.生きがいを与える
子育てや仕事を頑張ってきた人ほど、日常生活や社会生活において周りから世話をされる立場になったことをふがいなく感じています。そのような高齢者にとって、生きがいとなるのは、自分が世話をする立場になることに他なりません。
2.適度に身体を動かす
普段座って過ごしている高齢者でも、植物の世話をするためには身体を動かさざるを得ません。
3.屋外に出る機会を作る
外出の機会が減っている高齢者にとっては、植物を育てることが外出の機会になります。
4.社会性の維持・向上
施設では、自宅でのガーデニングとは異なり、介護職員や他の高齢者と一緒に活動することになります。複数人で一緒に作業をしたり、責任を持って作業を分担したりすることも目的です。
5.生活能力の維持・向上
野菜を育てる場合は、収穫し、調理して食べるまでが一連の流れです。花を育てる場合は、生けたり押し花にしたりすることも含めた活動になります。収穫量が多い場合は、販売も行うかもしれません。そのような活動に参加することも園芸療法の目的になります。
園芸療法が心身にもたらす効果とは?
介護施設での園芸療法は、次のような効果を期待して行われています。
1.五感が刺激される
視覚・触覚・嗅覚・聴覚・味覚をフルに刺激する活動です。風に揺れる植物の様子や季節による自然の移り変わりを見ることが視覚への刺激になります。土や植物に触れれば触覚が刺激されるでしょう。植物が発する香りを嗅げば嗅覚が、植物が風にそよぐ音や虫の音、鳥のさえずりなどが聞こえれば聴覚が刺激されます。収穫した野菜やハーブを調理して食べれば、味覚も刺激されるでしょう。
2.生きがいややりがいを感じられる
自分が世話をした植物が日々成長していく様子を見ることや、収穫を楽しむことに、生きがいを感じるでしょう。水やりの当番を決めるなど、役割を決めて活動に参加することも、やりがいにつながります。
3.見当識を得る機会になる
水やりの時間を把握したり、植物の成長を確認したりする機会を作ることによって、人や時間、場所に対して見当識を得る機会が増えます。
4.精神的な癒しや落ち着きを得られる
植物と触れ合うことによって、精神的な不安やうつ状態が和らぎます。
5.社会性が向上される
周りの人と協力して植物を育てるため、自然と会話の機会も増え、社会性が向上します。
6.日常生活に必要な機能が回復する
スコップやじょうろなどの道具を使ったり、収穫した野菜を調理したりすることによって、日常生活に必要な動作をする機会が増えます。
介護職員はどのように介護療法にかかわればいいのか
介護職員は、参加する高齢者の状況に応じて、計画を立てたり準備をしたりします。たとえば、初めての人でも育てやすい植物を選定したり、車いすと杖歩行の人が同時に楽しめる高さにプランターを設置したりするのが介護職員の役割です。育てる植物を決める時は、次のようなポイントを押さえるとよいでしょう。
- 誰もがなじみ深い草花
- 成長が早く何度も収穫できるハーブ
- 香りが強い野菜やハーブ
- 色鮮やかで押し花にしやすい草花
- 収穫量が多く調理しやすい野菜
- 世話が楽で失敗しにくい植物
安全かつ効果的な活動になるように、手順を決め準備をしましょう。
いかがでしたか。園芸療法は、大規模な畑や花壇がなくても、プランターや植木鉢を使ってできる活動です。家庭菜園の経験がある人や、ガーデニングを趣味にしている人なら、きっとよいサポートができるでしょう。植物を育てるのが好き、植物を育てることには自信があるという人は、園芸療法を取り入れている介護施設で働いてみるといいかもしれませんね。
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