冬のお風呂はヒートショックに注意!高齢者の命を守るためにできることは?

2024.02.12掲載
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皆さんこんにちは、 大阪介護転職ネット です。寒い冬場、温かいお風呂に入るとホッとしますよね。しかし、寒い脱衣所で服を脱いだり、冷えた浴室の床に足を付けたりするのはイヤだなと思ったことがありませんか。寒い日はトイレに行くのもイヤだなと感じることがあるでしょう。実は、この状態、高齢者にはとても危険です。そこで、今回はヒートショックについてお話します。

ヒートショックとは何?

ヒートショックとは、周りの温度変化に伴う急激な血圧の上昇、降下により、心臓や血管が大きなダメージを受けている状態です。人間の身体は、周りの温度が高いときは血管が広がり血圧が低下します。逆に、温度が下がると血管が縮んで血圧が上昇するため、急に寒いところに出たり、温かいところに入ったりするとヒートショックが起こるのです。ヒートショックが起きたときには、失神したり、不整脈、心筋梗塞、脳卒中などの症状が現れたりします。

冬は家の中を暖房しますが、すべての場所を均等に暖房できているわけではありません。リビングや居室は過ごしやすい温度になっていても、一歩廊下に出ると寒いということが多いのではないでしょうか。居室から離れているトイレ、浴室などは一日中冷やされているため、底冷えがする状態になっているかもしれません。そのような中、部屋から出て、トイレに行ったりお風呂に入りに行ったりするだけで、ヒートショックが起こる危険が高まります。

 

 

高齢者のヒートショック死は交通事故死よりも確率が高い

家の中でも、浴室は死亡事故の多い場所で、年間1万5000~1万9000人もの人が事故死しています。転倒などで亡くなっている人も含まれているため、すべてがヒートショックを原因とするものではありませんが、浴室内での事故死者数が増えるのは冬場です。気温の低下と共に激増することから、ヒートショックが大きく関係していることは間違いありません。

 

浴室で事故のうち、溺死に関しては65歳以上の高齢者が9割を占め、75歳で急激に増えます。厚生労働省が令和3年に行った人口動態調査によると、家などの居住地内にある浴槽内で溺死した65歳以上の高齢者は4750人でした。同年に高齢者の交通事故死者数葉2150人なので、溺死者の人数は2倍以上ということになります。高血圧や心臓疾患などの持病を持つ人は年齢が上がるほど増えるので、ヒートショックも起こりやすくなるのでしょう。浴槽内での溺死だけでなく、転倒にもヒートショックはかかわっている可能性があります。冬場に高齢者を入浴させる際には、ヒートショック対策することがとても重要だということがわかるでしょう。

ヒートショックの予防方法

ヒートショックが起こるのは、浴室内だけではありません。廊下、脱衣所、トイレ内などでも起こります。ヒートショックの原因は大きな温度変化ですから、場所ごとの温度差を小さくすることが予防には欠かせません。また、心臓や血管に負担がかかっていると、ヒートショックが起こりやすくなります。部屋を移動したり、入浴したりする前に心臓や血管に負担をかけないようにすることも大事です。具体的には以下のようなことが予防につながります。

 

  1. 暖房器具で温める

浴室暖房機がある場合は、入浴する前に浴室内を暖房しておきましょう。浴室の扉を開け、脱衣所も温めておくのがおすすめです。浴室暖房がない場合は、脱衣所に小型の暖房機を置いて温められるようにするとよいでしょう。その場合は浴室の扉を開けて、浴室内も温かくなるようにします。トイレも同様です。トイレ内を温めたり、冷たい便座に直接肌が触れないようにしたりしましょう。移動の間に温度が上がったり下がったりすることもヒートショックに直結します。廊下も含め、移動経路も温度変化が少なくなるように暖房を配置するのが理想です。

 

  1. 湯気を利用して温める

暖房機を利用できない場合は、浴槽に張ったお湯やシャワーを利用して浴室内や脱衣所を温めましょう。浴槽に張ったお湯から立ち上る湯気でも脱衣所や浴室を温められます。シャワーを使って高いところから浴槽にお湯を張るのも効果的です。脱衣所との温度差を小さくするために浴室の扉を開けておくことも忘れずに。熱いシャワーのお湯を浴室の壁に向かってかけることでも浴室内を温められます。もちろん、暖房機のように大きく温度を上げることはできません。しかし、多少は浴室や脱衣所の温度が上がり、浴槽内の湯温は下がりますから、温度差は小さくなるはずです。

 

  1. お湯張りの温度は低めに

高齢者には熱めのお湯を好む人が少なくありませんが、温度の高いお湯は身体への負担も大きくなります。特に冬場は、外との温度差で心臓や血管への負担が大きくなるので、38~40度の低めに設定することが大事です。ぬるいと感じる場合は、湯船に浸かってから足し湯などで徐々に温度を挙げましょう。

 

  1. かけ湯は心臓から離れた末端から

入浴前のかけ湯もヒートショックの予防に効果的です。ただし、心臓から離れた手先足先から始め、徐々に心臓に近づけていくように温めます。少しずつお湯の温度に身体を慣らせば、心臓や血管に負担がかかりません。

 

  1. 湯船に浸かる時間は短めに

湯船に長く浸かっていると血圧が下がり、水圧がかかり続けるため体力も消耗します。お湯から上がった後に寒い脱衣所や廊下に出ることで血圧が急上昇しやすくなり、ヒートショックの危険が高まるので、入浴時間は短めにすることが大事です。

ヒートショックの危険性を教えてあげよう

介護職が日頃関わる高齢者の中には、ヒートショックの危険性を知らない人も多くいます。入浴の際に気を付けてあげるのはもちろん、ヒートショックの危険について教えてあげることも大事です。

 

介護職として働くあなたが、職場環境が冷えていてヒートショックを起こしそうという場合は、大阪介護転職ネット を頼ってください。経験豊富なキャリアアドバイザーがあなたの心を温めてくれます。ヒートショックを起こしにくい職場を一緒に見つけていきましょう。