【人員配置基準の緩和が決定】0.9人ってなに?常勤換算や政府の闇を詳しく解説

2024.02.19掲載
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こんにちは。大阪介護転職ネットです。

 

新年を迎えたことから、仕事に対する意気込みを新たに持ち、新しい目標を設定する方も多いでしょう。

 

  

 

さて、2024年は甲辰(きのえたつ)の年とされ、「革新」を象徴する一年だといわれています。

そして、今年は介護施設の人員配置基準において、革新的な取り組みが計画されているようです。

 

 

今回は、その「人員配置基準」について、詳しく解説していきたいと思います。

新たに改訂される人員配置基準の背景や、常勤換算の計算方法、そして、政府の闇部分についても触れていきます。気になる方は、ぜひ最後まで読んでくださいね。

 

 

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  人員配置基準とは
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サービスの質を維持するため、介護施設や医療機関などの事業所では、人員配置基準が介護保険法で定められています。

つまり、各施設ごとに、利用者の人数に対して、配置しなければならない介護職員の人数が決まっているということです。

 

たとえば…

特別養護老人ホーム ⇒ 3:1
グループホーム ⇒ 3:1
介護老人保健施設 ⇒ 3:1
デイサービス ⇒ 15:1
有料老人ホーム ⇒ 10:1

 

というように、施設形態によって異なります。

仮に特養だとすれば、利用者さん3名に対して介護職員1名を必ず配置しなければいけません。

 

これが、介護施設における人員配置基準の前提です。

 

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  常勤換算の計算法
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人員配置基準は、常勤換算を用いて計算します。

常勤換算とは、介護施設に勤務する介護職員の平均人数を求める計算方法です。非常勤職員を0.5人としてカウントし、常勤職員の何人分に相当するのか換算します。

 

常勤換算の計算方法は以下の通りです。

「常勤職員の人数」+「非常勤職員の勤務時間÷常勤職員が勤務すべき時間」

 

なお、非常勤職員の規定は、パートやアルバイトといった雇用形態ではなく、勤務時間などに基づいて決められています。

 

また、人員配置基準の「3:1」とは、常勤職員が24時間常にいなければいけないというわけではありません。早出、日勤、遅出、夜勤、それぞれの時間帯において、常勤職員が1名以上いれば大丈夫です。

 

 

 

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  違反をした場合
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人員配置基準の規定を違反をした場合、その施設にはペナルティを課せられます

内容は厳しく、サービスの停止を命じられたり、基本報酬から30%差し引かれる「減算」が適用されるそうです。減算は施設全体ではなく、利用者一人ひとりに対して30%なので、運営としても大きな損失となるでしょう。

人手不足が問題視される介護業界ですが、緊急時の対応に備えて、人員配置基準の「3:1」を上回る施設も存在します。

 

 

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 人員配置基準の緩和
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これまでの話では、介護施設の人員配置基準は3:1であると説明してきました。

しかし、今年から、一部の介護施設で人員配置基準の緩和が決定されたとのことです。厚生労働省が発表した詳細を、要約して以下にまとめました。

 

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特定の介護付き有料老人ホームにて、
ICT技術や介護補助職員の活用を試みた結果、
介護職員の負担が軽減されることを確認した。

これに基づき、一定の要件を満たす施設に対して、
人員配置基準の柔軟化を提案。
詳細は、利用者3名に対し、
介護職員は常勤換算方法で0.9名以上とする。

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つまり、センサーマットや見守りカメラなど、ICT化を導入した介護付き有料老人ホームでは人員配置基準を「3:1」から「3:0.9」にする、というような内容です。

勘のいい方は、なぜ0.9人なのか、疑問に思うでしょう。

 

 

 

実は最初、「4:1」の人員配置基準を設けることが提案されていました。理由は、介護職員の負担軽減や、人手不足問題を解決したいという政府の意図からです。

しかし、介護現場で働く方々からすれば、現状でもすでに厳しい状況にあるため「4:1」の基準は現実的ではないという意見が多く寄せられました。

 

 

もっとも、政府は現場の実情を十分に理解せず、データ上の数値だけを重視しています

結果として、利用者の人数を変えずに職員の人数を減らす、という方針を採ったのではないでしょうか。しかも、その数値を0.9と設定することで、事実上、現場の状況はほとんど変わらないのに、介護業界に対して何かを行ったという印象を与えています。

 

 

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    まとめ
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実際のところ、センサーマットなどのICT化くらいでは、介護職員の負担を大幅に軽減することは難しいでしょう。現状大きく変わりません。

政府に対しては、現場の状況に直結しない事柄だけを話すのではなく、現場の声をもっと反映するよう求めたいものです。しかも、人員配置基準の緩和は、将来的に特別養護老人ホームなどの施設にも適用される可能性があるといえます。

 

ただし、先ほども述べたように、人員配置基準を上回る職員を確保している施設も多く存在しているのは事実です。もし、現在働いている施設で人手不足によりストレスを感じているなら、転職を考えてみるのも一つの選択肢ではないでしょうか。

 

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