AR(拡張現実)で認知症を体験!物の見え方とユニバーサルデザイン

2023.11.13掲載
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お役立ち情報

こんにちは。大阪介護転職ネットです。

 

現在、日本では約4人に1人が、認知症もしくはその予備軍であるといわれています。

その数の中には、高齢者だけではなく、若年性認知症という40~50代で発症した方も含まれています。決して他人事ではなく、今や、認知症はだれでも起こりうる身近な病気となりました。今後もさらに増え続けることでしょう。

 

前回の記事では、認知症の方が体験する「時間の感覚」について、とある書籍をご紹介しながらお話しました。まだ見ていない方は、そちらの記事も一緒にご覧ください。

 ↳ ようこそ認知症の世界へ ~私たちは、なぜ時計がなくても時間がわかるのか~

 

そして今回は、認知症の方の「物の見え方」について触れ、デザインとの関わりをお伝えしていきたいと思います。

 

 

突然ですが、今年の9月。福岡市にて新たなプロジェクトが発表されました。

認知症になっても自分らしく暮らせるまちづくり、通称『認知症フレンドリーシティ・プロジェクト』という事業を数年前に始めて、今年の9月、その拠点となる施設が市内にオープンしたそうです。施設名は、認知症フレンドリーセンターといいます。

 

ここでは、認知症の方が普段どのような見え方をしているのか、錯覚や奥行き、視野の狭さなどを、AR(拡張現実)で体験できます。

たとえば、階段の上り下りで段差が平らに見える、色のついたタイルが歪んで見える、などといった実体験を、認知症の方の視点から身をもって学べます。ARによって体験することで、症状をより身近に感じ、認知症への理解を深められるでしょう。

 

また、認知症の方は、排泄をするのも一苦労です。

トイレの便器と床の色が一緒なので、境目がわからず転倒したり、排泄に失敗してしまったり…。このようなケースは、介護施設でもよく起こりうる事例ではないでしょうか。

 

そこで、福岡市は「認知症の人にもやさしいデザインの手引き」という冊子を出版しました。

これは、認知症の方が日常生活を送るうえで、自分らしく生活できるようにと、さまざまな工夫やデザインのポイントを30個にまとめたものです。では一体、具体的にどのような工夫が必要なのでしょうか。

 

認知症の人にもやさしいデザインの手引き(福岡市) : 福岡市 | ソニーの電子書籍ストア -Reader Store

 

さきほどのトイレの事例でいうと…


 ▸便器を目立たせるため壁色は強いコントラストをつける

 ▸扉と壁を見分けられるように扉の明度を上げる 

 ▸誘導表記は文字だけではなくマークも一緒につける

 ▸ローカは影や暗い部分を作らないようにする

 

                   などなど。

 

照明やデザイン、コントラストの工夫によって、認知症の方が心地よく生活できる環境を整えています。

冊子で紹介しているデザインを取り入れた施設は、認知症フレンドリーセンターに限らず、博多区役所や公民館、地下鉄といった、さまざまなな場所で導入しています。全部でなんと49施設です。

 

 

今回のような認知症を体験する施設や研修は、福岡市にのみならず各地域で行われていることでしょう。もし機会があれば、実際に体験してみてください。周囲ひとり一人の理解を獲得して、認知症とともに生きる環境づくりを目指していきましょう。

なお、冊子は福岡市のHPにて無料でダウンロードできます。気になる方は「福岡市 認知症の人にもやさしいデザイン」で検索してみてくださいね。

 

 

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