創設されて1年以上が経過、『認知症伴走者支援事業』とは何か知っていますか?
皆さんこんにちは、大阪介護転職ネットです!
今回のテーマは、認知症伴走者支援事業についてです。認知症施策の試みのひとつについてお話ししていきたいと思います。
皆さんはこの「認知伴走者支援事業」というものをご存知でしょうか。2021年4月から始まっているこの事業ですが、介護職に従事している人々にとても関係の深い内容になりますので、ぜひ最後までお読みください。
参照URL
認知症施策関連ガイドライン(手引き等)、取組事例
★今回お話する内容
- 認知症伴走者支援事業とは何か
- 認知症伴走者支援事業が誕生した経緯について
- 認知症伴走者支援拠点について
- 認知症伴走者支援事業の内容について
- まとめ
- 認知症伴走者支援事業とは何か
『認知症伴走型支援事業』とは、地域における認知症の人本人や家族に対する支援体制の充実を図るための事業として、市町村が地域の既存資源を活用して、高齢者本人の生きがいにつながるような支援や専門職ならではの日常生活上の工夫等の助言や、効果的な介護人法や介護に対する不安の解消など、家族の精神的・身体的負担軽減に資する助言等を継続的に行う『伴走型の支援拠点』を整備した際に、必要となる人件費や間接経費が助成されるものです。
伴走者というと、視覚障害のあるマラソンランナーについて走る「伴走者」をイメージする人が多いと思います。マラソンランナーの伴走者の役割は、ランナーに寄り添って走り、走路や給水の場所、タイミングなどを知らせ、ランナーが安全に完走できるようにすることです。
この伴走者を認知症に関わる人たちに置き換えて考えてみましょう。認知症の人のそばで見守り、一緒に行動し、必要に応じて介助者支援を行う、といったイメージになると思います。
この認知症の人たちの伴走者を支援するために作られたのが、認知症伴走者支援事業になります。
この事業において重要な考え人が地域包括ケアシステムの推進にあります。地域社会の中で、本人のなじみの暮らし人や、なじみの関係が継続していくことが重要とされています。そのためにそこに関わる伴走者を支援することも併せて重要とされています。そして自治体に対しては、『断らない相談、伴走者支援を行う包括的な支援体制』を求めています。
- 認知症伴走者支援事業が誕生した経緯について
今までの介護保険制度では、在宅で認知症の人の介護を行っている人の支援は、主に地域包括支援センターが担っていました。しかし、地域包括支援センターの人員には限りが、それ以外の高齢者支援や権利擁護など、業務が多岐にわたっていることが問題視されていました。
令和元年度の地域包括支援センター実態調査によると、地域包括支援センターにおいて、家族介護者支援に関して実施していることで最も多いのが、認知症の人の家族介護者への支援になっています。実施している割合はおよそ7割となっており、人員が限られている中で認知症介護に関する対応を行うことが困難になっている現状がありました。
その問題を解決するために、地域包括支援センター以外で、認知症の人やその介護をする人を支援できる場所が必要になっています。つまり、認知症介護に関する専門的な相談や助言を、日常的、かつ、継続的に行える伴走型支援拠点の整備が急務となっていました。以上のような経緯から、「認知症伴走者支援事業」が誕生したのです。
- 認知症伴走者支援拠点について
認知症伴走者支援拠点として役割を期待されているのが、グループホーム、特別養護老人ホーム、小規模多機能型居宅介護といった地域の介護サービス事業所になります。
介護サービス事業所が拠点として期待できる理由のひとつに、事業所の数が多いということが挙げられます。
令和元年11月の「介護給付費等実態統計調査月報」によると、既存の施設数は以下の通りになります。
1位 グループホーム 13,689箇所
2位 特別養護老人ホーム 8,135箇所
3位 小規模多機能型居宅介護 5,461箇所
以下、介護老人保健施設、地域密着型特養と続きます。
このように、全国には数多くの介護サービス事業所が存在します。介護サービス事業所には、認知総会後に従事している専門的な職員が数多くいるので、日常的に関わっている事業所に対して、相談窓口としての機能を持つことが期待されています。
伴走者支援事業を行う上で、相談窓口として対応可能な日時を決定し、介護サービス事業所の看板やホームページなどで告知する必要があります。そして日常的、かつ、継続的に実施することが求められます。
- 認知症伴走者支援事業の内容について
認知症伴走者支援拠点に求められる事業内容は、認知症介護に関する相談支援や助言などになります。
具体的な内容は大きく分けて以下の3つになります。
- 認知症の人に対して、社会参加活動を促すなど、生きがいにつながるような支援や専門職ならではの日常生活上の工夫などの助言
- 認知症介護を行う家族に対して、精神的・身体的負担の軽減につながるような、効果的な介護方法や介護に対する不安解消に係る助言
- 地域包括支援センターや認知症地域支援推進員等の地域の関係機関と連携し、認知症に関する相談への助言や認知症ケアパス作成への参加、地域包括ケア会議への参加など等認知症政策に関する取り組みの実施
つまり、認知症介護の知識・経験を活かした相談支援や介護方法などの助言を行い、地域の関係機関と連携して、その地域の福祉ニーズの把握や新たな認知症政策の作成の共同参画が、介護サービス事業所にも求められているといえます。
- まとめ
今回『認知症伴走者支援事業』について、誕生の経緯や対象となる事業所、そして事業内容についてお伝えしました。在宅介護において認知症の人への介護は身体的・精神的負担が大きいものになります。今後ますます支援が必要な分野であるので、地域包括支援センターだけではなく、様々な介護サービス事業所が一体となって地域の課題、問題について考えていかなければならないでしょう。
認知症介護に関しては、介護サービス事業所で日常的に関わっている職員が多く存在します。実際に介護している職員からの助言はとても説得力があり、認知症介護について悩んでいる人々の一助になると思います。
また、相談支援を行う側は、しっかりと認知症についての理解を深め、介護の実体験を基にした助言をすることが必要になります。今後この事業に参加することを念頭に置いて活動することで、より良い伴走者になれるのではないでしょうか。
読んでいただき、ありがとうございました。それではまた!
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