ケアマネさんの視点から2021年度を振り返ってみよう!

2022.04.04掲載
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 こんにちは。大阪介護転職ネットです!

 2021年度も残すところあとわずかですね。公私ともに皆さんにも色々な事があったことと思います。今回は2021年度の制度改正の中から、ケアマネジャー周りの新たな改訂、「基本報酬の見直し」「逓減性の緩和」「特定事業所加算の見直し」の3つについて触れながらどんな1年だったか、第一線で奮闘する現場のケアマネジャーさんの声と共に振り返ってみたいと思います。

 

 今回制度改正などに関して、包括センター長のTさんにお話を伺い、また、現場で頑張っているケアマネジャーさんたちへの励ましの声をいただきました。Tさんは以下のプロフィールをお持ちです。

「福祉業界歴は30年以上になります。特別養護老人ホーム、デイサービスで17年間、介護福祉士、ケアマネジャーを経験し、 地域包括支援センターで社会福祉士として相談業務に携わりました。 その後、地域包括支援センター長も務めました。講演活動なども行っています。」

 

 「4月から新たに2022年度を迎えます。職場環境を新たにする方、今年度に引き続き業務に就く方、新たな役職に就く方など様々だと思います。

 2021年度介護報酬改定から約1年が経過しました。居宅介護支援事業所に関しては、居宅介護支援の基本報酬の見直し、逓減性の緩和、特定事業所加算の見直しなどがありました。皆さんは2021年度の制度改定をどのように評価されるでしょうか。

 

 まずこれを機会に、ケアマネジャーさんたちの心の声を代弁させていただきます。

「報酬改定といっても、どうせ少し増えるだけ」

 「また使えない加算を増やしたり、利用者さんへの説明責任がさらに重くなるとか、複雑で分かりにくいルールを増やしているだけ」

 「3年ごとにこんなことばかりやってられない、全然現場を見ていない」・・・などなど

  地域包括支援センターのスタッフさんや、ケアマネさんたちに正直に心の声を吐き出してもらいました。いつも大して変わらない報酬改定については、もう慣れっこ、何も期待もしない、諦めに近い感じの人がほとんどでした。

 

 

★2021年介護報酬改定① 居宅介護支援の基本報酬の見直し

 多少上がったのは良いことだったと思います。ただ、この改定で居宅介護支援の経営が良くなり、事業所が増えていくとか、ケアマネジャーが増えていくとは到底思えません。逆に、将来に希望が持てず辞めていく人が増えるのではないかと心配に感じます。

 

★2021年介護報酬改定② 逓減性の緩和

 事業所の経営の安定化や、ケアマネジャーの処遇改善などを目的として、2021年の4月から実施されています。 それまでの仕組みでは、ケアマネジャー1人あたりの担当件数が40件以上になると、基本報酬の評価が引き下げられてしまいましたが、昨年4月以降は、1人44件までであれば、減算されないというルールへ改定されました。

 大手の居宅介護事業所や、現場を知らない経営者の事業所では、「国が1人44件まで担当件数増やしても減算しないと言っているんだから、そこのあなた、そこのあなたも、そっちのあなたも、もっと件数増やしてね❤」的な軽いノリで、実際に現場で奮闘しているケアマネジャーたちにかけるプレッシャーが増えただけのように思えます。逓減性緩和の部分の算定率として、全居宅介護支援事業所の1割にも満たないというデータも出されています。

 

★2021年介護報酬改定③ 特定事業所加算の見直し

 こちらに関しても、可もなく不可もなく、なんのインパクトもなし、といった感じです。

 「インフォーマルサービス、社会資源の取り入れ」についての記載が追加されましたが、これは以前からやっていました。ケアマネジャー同士の会議をオンラインでやってもいいですよ、となっただけという印象です。

・・・いったい何が変わったのか。算定するのに相変わらずハードルは高いですね。

 「特定事業所加算A」が新設されたことについても、正直「ふ~ん」というのが、現場での反応です。そもそもそんなの知らないというケアマネさんも少なくないでしょう。

 

  さて、マイナスな事ばかり考えても始まりません。新年度に向けて気合を入れましょう。ここからは、2022年度に向けてモチベーションをどう保ったら良いか、現場で身を粉にして働いている皆さんにとって少しでも活力になればいいなと、僭越ながら励ましの言葉を掛けさせていただきたいと思います。

 

 ケアマネジャーさんたちと利用者さん、ご家族の方々は、関わると長く深いお付き合いになります。その人の人生の最期に寄り添っていくような関わり合いだからです。

ケアマネジャーさんの笑顔に救われたという利用者さんやそのご家族さんが地域には沢山いらっしゃいます。

 

「あなたがいたから辛い介護もやってこれた」

「あのケアマネジャーさんに出会えて良かった」

 

包括で働いているとたくさん耳にします。

 

 制度がどう変わろうが、ケアマネジャーさんたち自身やその仕事の「価値」は変わらない、普遍的なものとして存在し続けています。

 

 だから、どうどうと胸を張ってください誇りを持ってください、と皆さんにはお伝えしたいです。なかなかこれまでのことを振り返る機会というのはあまりないので、今年度1年が終わろうとしている時期だからこそ、改めてお伝えしたいと思いました。

 

 長年この仕事をやっていると、20年以上前にある高齢者の方と関わり合いがあり、二十数年経った今、当時主な介護者だった息子さんや娘さんの介護保険の申請をする、というようなこともあります。

 

 その娘さんは「今度は私の番ね、あの時はありがとう、本当に助かりました」そうやって感謝から関りが始まる、信頼関係ができている状態で支援が始まるということがよくあります。これはお互いにとってかけがいのない財産です。そういった深い関わり合いができる仕事がケアマネジャーの仕事であり、福祉的なつながりなのだろうと最近よく考えます。とても尊い仕事だと思います。

 

 2022年度もケアマネジャーを続けると決めている方は、今よりもっと、自分の仕事には価値がある素晴らしい仕事なんだと声を大にして周りに宣言してみましょう。特に、自分のパートナーや家族、お子さんがいらっしゃる方はお子さんに、朝の挨拶のような感じで、惜しみなく宣言し続けてみませんか。ぜひ自分の仕事の価値を伝え続けられる、そんな2022年度にしていきましょう。」

 

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