メタバースと介護

2022.03.07掲載
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 こんにちは。大阪介護転職ネットです!

 昨年の10月に「Facebook(フェイスブック)」が、社名を「Meta(メタ)」に変更したというニュースは耳新しいですね。CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は、事業の主軸であったSNSを、「Metaverse(メタヴァース、メタバース)」と呼ばれる、仮想空間の構築や、それに関連するサービスへ舵を切り、「新しい事業の全てを示す社名に変更した」と正式に発表しました。ザッカーバーグ氏はこの事業に、1兆ドル(約110兆円)以上のビジネスチャンスがあると見込んでいるそうです。

 

 

 

 この「メタバース」とはいったい何でしょう?

『メタバース (英: Metaverse) は、コンピュータやコンピュータネットワークの中に構築された、現実世界とは異なる3次元の仮想空間やそのサービスのことを指す。日本における意味合いにおいては基本的にバーチャル空間の一種で、企業や2021年以降新たに参入した人々が集まっている商業的な空間の事が主にそう呼ばれる。』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B9

と、ウィキペディアには上記のような説明がなされています。メタバースという言葉自体の意味は、ギリシャ語由来の「超越(meta)」と英語の「宇宙(universe)」を組み合わせた造語だそうです。

 メタバースという考え方は、もう何年も前からありました。決して新しいアイデアではないのですが、その概念は未だ漠然としています。

 マーク・ザッカーバーグ氏が発表した動画「Connect 2021」によると、メタバースという仮想空間では、自分のアバターが現実世界でするように他人と交流し、仕事をし、趣味を楽しむことができるようになるといいます。

Connect 2021
https://www.youtube.com/watch?v=Uvufun6xer8
(動画は英語ですが、字幕設定で日本語字幕が出ます)

 

 目に映るメタバースの世界は美しく、その美しい世界で生活し、現実の世界では出来なかったことが出来るようになります。例えば、身体に障がいがあり現実世界で歩けなかった人が、歩いたり走ったりすることができ、また、命の危険がないので、スカイダイビングや、エベレストを超える10,000メートル級の山に登るなど、現実世界では危険だからというような理由で躊躇していたことにも気軽に挑戦することができます。

 また、メタバースで働いて得た報酬は、現実世界で使えるようになります。これからは現実世界で本業を、メタバースで副業をする、という人が増えるかもしれませんね。

 誰もが平等で、争いがなく平和で安全、そして楽しい、まさに夢のような世界、「メタバース」

 しかし、良い点ばかりではありません。メリットがあればデメリットもあるものです。現時点ですでに、メタバースが実現したら起き得るであろう問題が、医学や経済学、心理学、高齢者福祉関連など、各方面の専門家から提起されています。

 メタバースが実現したとして、身近なところでどのようなデメリットがあるか考えてみました。

 筆者の父は70代後半ですが、耳が少し遠いことを除けばとても元気な高齢者です。父は若い時からIT関連やAIテクノロジーの話題や製品が大好きで、現在もスマホやパソコンを難なく使いこなします。

 先日、所要で父と電話で話したときに、早速メタバースの話になりました。父が言うには、

「自分が認知症と診断されたら、メタバースの世界に入り浸って、もう現実の世界には戻らない。メタバースで美味しいものを食べ、好きなことをして、現実世界ではそのまま衰弱死するつもりだ。それが自分にとっても家族にとっても一番いいことなんだ。」

 この発言には大変驚きました。父がそんなことを考えていたこと自体にまず驚きましたし、同時にパソコンなどの機器を使うことが苦にならない高齢者の中には、メタバースが実現した際、父と同じようにしたいと思う人が出てくるに違いない、また、そういった倫理に反するような行動を規制したり取り締まったりする法律が現時点ではない、と思い至ったからです。法整備は徐々にされていくでしょうが、個人個人の考えやそれに基づく行動への線引きが適切かどうかなどは、難しい問題だと感じました。
 父には、もし本当にそうするのなら、それは家族のためどころか、迷惑だからやめた方がいいと忠告しておきましたが、本気度はかなり高いように感じました。

 逆に、パソコンなどが苦手な高齢者はどうなるでしょうか。テクノロジーの進歩について行けず、取り残されてしまうのではないでしょうか。これは高齢者だけに限った話ではなく、若い人の中にもパソコンなどが苦手な人がいるでしょうから、全世代共通の問題かもしれません。

 また、いざメタバースが実現し、そこで働き、食事をし、休暇を楽しみ、現実世界には、必要最低限の栄養を補給する時、トイレやお風呂などを済ます時、睡眠をとる時だけしか戻ってこない、などといった人も出てくるでしょう。

 実現までには解決しなければならない問題が山積している「メタバース」ですが、使い方次第では、介護業界にとってより良いサービスが提供できるチャンスではないかと感じました。高齢者の方々がやってみたいことに挑戦したり、メタバースの中で旅行や冒険などをしたり、食べたい物を心置きなく食べたりと、できることの可能性が広がります。介護福祉職の方々も一緒に楽しむことができるのではないでしょうか。皆さんはどう感じましたか?

 

 最後に、メタバースや仮想現実の世界、また、似たようなシチュエーションで、人間の夢の中の世界などが舞台の映画やドラマをいくつかご紹介したいと思います。お時間があるときにご覧になってみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

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