《2022年》第34回(令和3年度)介護福祉士国家試験対策~過去問題解説⑤~

2021.11.01掲載
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お役立ち情報

こんにちは。大阪介護転職ネットです!

 来年の1月に第34回(令和3年度)介護福祉士国家試験の筆記試験が予定されています。出題傾向の高い過去問題を取り上げ解説してみましたので、隙間時間を利用して繰り返し読んでいただき、皆さんの試験対策に少しでもお役に立てれば幸いです。すでに資格を持っている方は、これを機会にぜひ復習をしてみてはいかがでしょうか。

参考サイト:社会福祉振興・試験センター
http://www.sssc.or.jp/kaigo/tetsuzuki.html

 

 

 

今回の過去問題は、「人間関係とコミュニケーション」の内容から、より具体的な「コミュニケーション技術」について取り上げました。事例形式と短文事例の問題が出題されることが多く、第32回では、事例形式の問題が2問出題されました。各項目からまんべんなく出題されていますが、主な項目を見てみると、以下の4つが重要なポイントになります。

以上を踏まえたうえで、過去問題を4問取り上げました。試験までに語句の意味や技法の種類、考え方などについて理解をしておきましょう。

 

《過去問題&答え&解説》

【問題1 コミュニケーションの基本】

受容の説明に関する記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1価値観を尊重する。

2問題行動を否定する。

3言い分に同調する。

4感情を分析する。

5否定的感情を抑圧する。

 

答え:1 価値観を尊重する。
解説:受容とは利用者の感情や言動をありのまま受け入れることです。価値観を尊重する=受容

2問題行動を否定する。
解説:問題行動を否定することは、対象者の価値観を否定することです。非審判的態度で接することが大切です。
※本質的には「問題行動」という言葉や考え方自体が良くないのですが、「設問上必要な言葉」とだけ捉えておきましょう。

3言い分に同調する。
解説:この記述は、コミュニケーションの技法の「共感」の説明です。

4感情を分析する。
解説:この記述は、バイステック7原則の「統制された情緒的関与」の説明です。

5否定的感情を抑圧する。
解説:否定的、肯定的な感情を抑圧することは、バイステックの7原則の「意図的な感情表出」を抑制することになります。対象者が自由に感情を表現できるように援助することが大切です。

 

【問題2 逆転移】

利用者とのコミュニケーションにおいて、逆転移が起きている事例に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1自分が利用者を嫌いなのに、利用者が自分を嫌っていると思い込む。

2亡くなった祖母と似ている利用者に、無意識に頻繁に関わる。

3利用者に対する不満を直接ぶつけずに、机を強くたたいて発散する。

4敬意を抱いている利用者の口癖を、自分もまねて用いる。

5利用者に対する嫌悪の感情を抑え、過剰に優しく利用者に接する。

 

答え:2 亡くなった祖母と似ている利用者に、無意識に頻繁に関わる。

解説:コミュニケーションにおける逆転移とは、「援助者」が自分の親や子などに向けていた「無意識な感情や葛藤」を、「利用者」に対して向けるようになることです(「利用者」が「援助者」にそうした感情などを向けるようになること=「転移」)。

《ここで援助課程で生じる感情のポイントチェック!》

 

 

【問題3 傾聴】

介護福祉職が行う傾聴に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1利用者が抱いている感情を推察する。

2利用者が話す内容を介護福祉職の価値観で判断する。

3対話の話題を介護福祉職の関心で展開する。

4利用者が体験した客観的事実の把握を目的とする。

5利用者が沈黙しないように対話する。

 

答え:1 利用者が抱いている感情を推察する。
解説:記述の通りです。

2利用者が話す内容を介護福祉職の価値観で判断する。
解説:援助者の価値観で判断をするのではなく、「非審判的態度」で接することが大切です。

対話の話題を介護福祉職の関心で展開する。
解説:「傾聴」とは、利用者の主観的な訴えや心の声に、じっと耳を傾けることです。

利用者が体験した客観的事実の把握を目的とする。
解説:「傾聴」とは、事実の把握や結論を出すためのものではなく、利用者の語るままに聞くことです。

利用者が沈黙しないように対話する。
解説:「傾聴」とは、沈黙も心の声と受け止め、利用者が語るのを待つことも含まれます。

 

【問題4 開かれた質問をする目的】

コミュニケーションがより円滑になるように、開かれた質問をする目的として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1初対面の利用者と会話を始める時に緊張をほぐすきっかけをつくる。

2話す気分になれなくて口数が少ない利用者と会話を続ける。

3漠然としていて伝わらない利用者の考えを明確にする。

4重度の認知症(dementia)でコミュニケーション能力が低下している利用者から情報を得る。

5利用者の繰り返す同じ話を一旦止める。

 

答え:3 漠然としていて伝わらない利用者の考えを明確にする。
解説:質問内容をいろいろと変えながら「開かれた質問」をすることで、漠然としていた考えが具体的になることが期待できます。

1初対面の利用者と会話を始める時に緊張をほぐすきっかけをつくる。
解説:質問技法には「開かれた質問」と「閉じられた質問」があります。抱いている感情を引き出すためには「開かれた質問」が適していますが、必ずしも緊張をほぐすきっかけにはなりません。「閉じられた質問」で「はい」「いいえ」と答えてもらっているうちに緊張がほぐれ、その後「開かれた質問」をすると、より多くの感情を引き出すことができます。

2話す気分になれなくて口数が少ない利用者と会話を続ける。
解説:話す気分になれない利用者に対して会話を続けることは、適切ではありません。日時を改めて質問の機会を設けるようにしましょう。自由に感情表現ができるように、意図的に援助することが大切です。

4重度の認知症(dementia)でコミュニケーション能力が低下している利用者から情報を得る。
解説:コミュニケーション能力が低下している利用者に対しては、「はい」か「いいえ」で答えてもらう「閉じられた質問」が適しています。利用者の言動を受容し、訴えを傾聴する姿勢で接することが大切です。

5利用者の繰り返す同じ話を一旦止める。
解説:繰り返す同じ話を止めることは、発言を否定することになり、適切な対応ではありません。言動を受容し、訴えを傾聴することが大切です。

 

介護福祉士国家試験に限らず、有効な試験勉強として、何度も繰り返し読むということが挙げられます。また、反復しながら読んでいくと、読んだことが脳細胞に刻み込まれて、より記憶が定着しやすいそうです。

例えば、今日、対策①、②、③を読んだら、明日は、②、③、④を読む、その翌日は、③、④、⑤、その次の日は、④、⑤、⑥、その次の日は・・・という風に、読み進めていくと、いつの間にか覚えているそうです。

受験生の皆さんも、何度も繰り返し読んで覚えてみてくださいね。すでに資格を持っている方は、復習の意味で活用していただければ幸いです。大阪介護転職ネットは、皆さんを全力で応援します!

 

 

 

 

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