《2022年》第34回(令和3年度)介護福祉士国家試験対策~過去問題解説②~

2021.09.13掲載
  • Facebook
  • Twitter
  • Line
お役立ち情報

こんにちは。大阪介護転職ネットです!

 来年の1月に第34回(令和3年度)介護福祉士国家試験の筆記試験が予定されています。出題傾向の高い過去問題を取り上げ解説してみましたので、隙間時間を利用して繰り返し読んでいただき、皆さんの試験対策に少しでもお役に立てれば幸いです。すでに資格を持っている方は、これを機会にぜひ復習をしてみてはいかがでしょうか。

参考サイト:社会福祉振興・試験センター
http://www.sssc.or.jp/kaigo/tetsuzuki.html

 

今回の過去問題は、第1回に引き続き「人間関係とコミュニケーション」から3問取り上げました。試験までに語句の意味や技法の種類、考え方などについて理解をしておきましょう。

《過去問題&答え&解説》

【問題1 コミュニケーションの意義】

『Bさん(90歳・男性)は、介護老人福祉施設に入所することになった。一人暮らしが長かったBさんは、入所当日人と会話することに戸惑っている様子で、自分から話そうとはしなかった。介護福祉職は、Bさんとコミュニケーションをとるとき、一方的な働きかけにならないように、相槌を打ちながらBさんの発話を引き出すように心がけた。』

この時の介護福祉職の対応の意図に当てはまるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1双方向のやり取り

2感覚機能低下への配慮

3生活史の尊重

4認知機能の改善

5互いの自己開示

 

答え:1 双方向のやり取り
解説:コミュニケーションは、お互いの意思や感情や情報を伝えあい、共有化することであり、双方向のやり取りが重要です。

×2感覚機能低下への配慮
解説:Bさんは、感覚機能が低下しているわけではありませんので、適切ではありません。

×3生活史の尊重
解説:Bさんの生活史を尊重することはもちろん大事ですが、施設に入所したばかりの状況で、自分から話そうとしない場合は、適切ではありません。

×4認知機能の改善
解説:Bさんは認知機能が低下しているわけではないので、適切ではありません。

×5互いの自己開示
解説:Bさんは施設に入所したばかりであり、互いの自己開示には時期尚早です。

 

 

 

【問題2 コミュニケーションの基本】

利用者との関係を構築するためのコミュニケーションの基本として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1聞き手に徹する。

2声の高低や抑揚を一定に保つ。

3身振りや手振りは最小限にする。

4介護福祉職の主観を基準にする。

5利用者の生活史を尊重する。

 

答え:5 利用者の生活史を尊重する。
解説:利用者の生活史を尊重することとは、利用者の言動を「受容」することです。関係構築のために、利用者のこれまでの生活史を理解し、受け入れることが大切です。

×1聞き手に徹する。
解説:コミュニケーションとは、お互いがやり取りをすることです。聞き手に徹することは「傾聴」していることですが、「コミュニケーションの基本」として最も適切とは言えません。問題文にある「利用者との関係を構築する」とは、信頼関係を築くことです。

×2声の高低や抑揚を一定に保つ。
解説:コミュニケーションでは、言葉や声の高低、抑揚なども大切な要素ですが、「一定に保つ」のではなく、状況に応じて変化をつけることが大切です。

×3身振りや手振りは最小限にする。
解説:コミュニケーションでは、言葉や声の高低、抑揚なども大切な要素ですが、「最小限」にするのではなく、状況に応じて使用します。

×4介護福祉職の主観を基準にする。
解説:コミュニケーションの基本は、「受容」「共感」「傾聴」です。主体は利用者なので、介護福祉職の主観を基準にした対応は適切ではありません。

 

【問題3 コミュニケーションを促す場面づくり】

介護職と利用者のコミュニケーションを促す場面づくりに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1利用者との関係性をつくる座り方として、直角法より対面法の方が有効である。

2対面法で座る場合、視線を向けることのできる花瓶などを机の上に置くと良い。

3利用者に近づけば近づくほど、親密な雰囲気になって利用者は話しやすくなる。

4利用者が座っているときも、介護職は立ったままで話しかけてよい。

5介護職が腕や足を組んだ姿勢をとると、利用者はより話しやすくなる。

 

答え:2 対面法で座る場合、視線を向けることのできる花瓶などを机の上に置くと良い。
解説:対面法は、介護職と利用者が向かい合う状態になるため、自然に視線をそらすことのできる花瓶などがあると、圧迫感が和らぎます。

×1利用者との関係性をつくる座り方として、直角法より対面法の方が有効である。
解説:対面法は、介護職と利用者が向かい合う形で座るため、形式的な面接や相談に適しています。直角法は、テーブルの角などをはさんで斜めに座り、視線を外しやすく、利用者との関係づくりに適しています。

×3利用者に近づけば近づくほど、親密な雰囲気になって利用者は話しやすくなる。
解説:利用者との実際の距離(物理的な距離)は、利用者に対する関心や気持ちを表す心の距離(心理的距離)と関連しています。しかし、実際の距離が近いことを苦手に感じる利用者もいることから、適切な距離を保つことが大切です。

×4利用者が座っているときも、介護職は立ったままで話しかけてよい。
解説:介護職は、目線の高さを利用者に合わせ、リラックスした態度で接することが大切です。

×5介護職が腕や足を組んだ姿勢をとると、利用者はより話しやすくなる。
解説:介護職が腕や足を組んだ姿勢だと、利用者に威圧感や嫌悪感を与えることになるため、適切ではありません。

 

利用者との関係を作る座り方のポイント整理!
テーブルに向って会話をする場面での位置関係は次の通りです。これらの位置関係は、臨機応変に使い分けましょう。

≪直角法≫
相手に対し90度、又は120度の角度で座ります。自然なアイコンタクトが可能になり、圧が弱く、関係を作る座り方として有効です。

≪対面法≫
相手と真向かいに座る方法です。真正面というのは、相手の表情や視線など、多くの情報を得られます。半面、対立モードになりがちです。視線がぶつかりやすく、圧迫感を感じ気を使います。この場合、テーブルの上に花瓶などを置いて自然に視線が外せるようにすると良いでしょう。

≪並列方≫
隣に並んで座る方法です。視線が交わらないため、長時間の会話が必要な時などに適しています。両者が最も親しくなれる方法ですが、それぞれの考えていることが違うときなど、話しは平行線のままになってしまい、けっして交わりません。

介護福祉士国家試験に限らず、有効な試験勉強として、何度も繰り返し読むということが挙げられます。また、反復しながら読んでいくと、読んだことが脳細胞に刻み込まれて、より記憶が定着しやすいそうです。

例えば、今日、対策①、②、③を読んだら、明日は、②、③、④を読む、その翌日は、③、④、⑤、その次の日は、④、⑤、⑥、その次の日は・・・という風に、読み進めていくと、いつの間にか覚えているそうです。

受験生の皆さんも、何度も繰り返し読んで覚えてみてくださいね。すでに資格を持っている方は、復習の意味で活用していただければ幸いです。大阪介護転職ネットは、皆さんを全力で応援します!

 

 

 

 

LINEお友達追加