従来型の介護とは異なる学校式介護!「おとなの学校」の魅力とは?
皆さんこんにちは、 大阪介護転職ネット です。皆さんは「おとなの学校」について何か耳にしたことはありますか? 学校式介護を取り入れた施設の通称です。学校式介護とは、学校をコンセプトにした介護方式で、生活意欲や自立意識を高めることを第一の目的としています。今回は、全国的に広がりを見せている「学校式介護」と「おとなの学校」について解説します。
おとなの学校とは?
おとなの学校とは、介護施設を学校に見立て、介護職員が先生、施設利用者が生徒の役になり切って進めていく介護サービスです。本物の学校のように時間割があり、高齢者向けに作られた「おとなの教科書」に沿って授業が進められます。受けられる教科は、『国語』『算数』『理科』『社会』『音楽』『家庭科』『保健』『体育』と本物の学校と変わりません。ただし、教科書の内容は、単に新しい知識を得るためのものではなく、認知症の改善に用いられる心理療法の1つ「回帰法」を取り入れたもの。認知症であっても楽しく取り組めるカリキュラムになっています。
おとなの学校で導入されている「学校式介護」は、重度の認知症高齢者でも、学びの場を得ることにより、生き生きとした日常を送れるようになることを発見したことから生まれました。生活意欲や自立意識を高めることを目的として、平成17年秋にスタートした介護方式です。令和7年時点では全国約600の施設で取り入れられています。
おとなの学校の魅力とは?
おとなの学校では各教科の教科書が用意されていますが、通常の学校のように教科書の内容を教え込むわけではありません。あくまでも教科書は会話のきっかけづくりに利用されるものです。本質は、テーマに沿って自由に会話をすること。先生役の介護職員は、話を振ったり膨らませたりする役目をします。
一応授業なので、問題も出題されますが、出された問題に正解することが目的ではありません。他の参加者と一緒に昔を思い出し、話をすることで脳を活性化させることが目的です。ですから、答え合わせのときに、こっそりと正解を書き込んでも怒られることはありません。学校らしく校歌斉唱や朝礼なども行われます。利用者がクラスメイトという形になるため、他の利用者に対して思いやりを持って接することができるようになるようです。困っている仲間の手伝いを進んでするようになったという話もよく聞かれます。
最も魅力的なところは、利用者が介護される側として引け目を感じなくて済むことです。介護を受けるようになると、「自分で自分のことができなくなった」「人の手を借りなければ何もできない」と感じてしまうことが少なくありません。しかし、生徒として先生役の介護職員と接すれば、一方的に世話をされているという感覚が弱まります。授業に参加することで、自分にもできることがたくさんあることに気づけば、自己肯定感も高まるそうです。
もちろん、介護職員側にもメリットがあります。たとえば、授業形式をとることにより、1人で多くの利用者の対応をできるようになること。その間に、手が空いたスタッフは別の作業に専念できます。教師役の介護職員専用の教本に細かい進行方法がかかれているので、特別なノウハウは必要ありません。授業という形で季節の行事や運動会、そのための準備なども行うので、レクリエーションのたびに何をやるか悩まなくて済むのも、介護職員にとってのメリットです。
教科書は毎月届くので、ネタ切れも心配いりません。授業を行ううえでの約束事は「笑う」「喜ぶ」「感謝する」の3つだけ。穏やかな気持ちで利用者と接することができます。利用者が進んで参加してくれるようになればさらに負担も減るでしょう。
いかがでしたか。おとなの学校の先生役をやってみたいと思った人もいるのではないでしょうか。「現在の職場に学校型介護の導入を提案してみるのは難しい」「現在の職場では利用者を笑顔にすることが難しい」と感じているのであれば、転職も視野に入れてみましょう。その際には、 大阪介護転職ネット に相談してみることをおすすめします。実績豊富なキャリアアドバイザーがあなたの悩みや希望に耳を傾け、ぴったりの転職先を一緒に探してくれますよ。