介護現場の熱中症対策!高齢者を守るために覚えておきたいこととは?

2024.08.05掲載
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皆さんこんにちは、 大阪介護転職ネット です。熱中症警戒アラートが頻繁に発令される中、皆さんはきちんと熱中症対策できていますか? 介護職の立場では、自分だけでなく、介護対象の高齢者の様子にも気を配らなければならないので大変ですね。そこで、今回は、介護現場で求められる熱中症対策について解説します。

熱中症とは?

熱中症とは、高温多湿の環境下で長時間過ごすことにより、正常に体温調節できなくなり、体内に熱がこもっている状態です。体内の水分や塩分のバランスも乱れるため、めまいや頭痛、けいれんなどの症状が現れます。熱中症になるのは、屋外で運動などをしているときだけではありません。室内で静かに過ごしているときにも起こります。消防庁のデータによると、救急搬送を要する熱中症の発生場所で最も多いのは住宅等居住場所です。全体の約4割を占めており、65歳以上の高齢者に限ると、過半数が住居棟居住場所で熱中症になっています。

 

熱中症の重症度と症状

熱中症の症状は軽症から重症まえ3つの段階に分けられます。

・軽症

応急処置で対応可能なレベルです。大量の汗をかいて、水分や塩分が失われています。軽症で現れる症状は、立ちくらみや筋肉痛、こむら返りなどです。

 

・中等症

病院への救急搬送が必要なレベルです。頭痛や倦怠感や脱力感があり、吐き気を訴えたり嘔吐したりします。

 

・重症

救急搬送したうえで入院、集中治療が必要なレベルです。高体温の状態になり、手足の運動障害、けいれん、意識障害などの症状が現れます。

熱中症で救急搬送される人の多くが高齢者

消防庁のデータによると、過去5年間に熱中症で搬送される人の過半数が65歳以上の高齢者で、その約75%が75歳以上の後期高齢者でした。しかも、搬送された高齢者の約半数は中等症以上と診断されています。持病などによっては命にもかかわるため、些細な変化も見逃さないようにして、早めに対処しなくてはなりません。

 

高齢者は熱中症リスクが高い

高齢者は以下のような理由で熱中症になりやすいと言えます。

  1. 暑さを感じにくい
  2. 体の水分量が少ない
  3. 水分を摂りたがらない
  4. 体温調節の機能が低下している

 

暑さを感じにくくなっているため、熱中症が心配な環境下でも、エアコンを付けず、厚着をしてしまうような高齢者が少なくありません。熱帯夜に窓を閉め切り、エアコンを掛けずに過ごしていて熱中症になるというケースが多いのはそのためです。

 

また、加齢により、体内に保持できる水分量が減っています。体内の老廃物を排出するためには若いころよりも多くの尿が必要なので、こまめな水分摂取が必要です。しかし、トイレが近くなるのを嫌がり、水分を摂らずに過ごす高齢者も多く見られます。元々体内に水分が少ない状態で発汗すれば、中等症以上の熱中症になってしまうのも当然です。

 

高齢者は、体に十分な水分がないため、汗をかきにくくなっています。そのうえに、体温調整機能も低下しているため、一度体に熱がこもると自力で熱を下げることができません。高体温の重症になりやすい条件も揃っています。

 

高齢者と一緒に過ごす介護職員も熱中症に注意が必要

介護施設では、高齢者に合わせて室温を高く設定しているため、身体を動かす機会の多い介護職員にとっては暑すぎる環境になっていることが多いようです。特に入浴介助を連続で行うと、高温多湿の環境で長く過ごすことになります。時間に追われて作業し続けると、つい水分補給も忘れてしまいがちです。室内で過ごしているときほど、熱中症対策に気を付ける必要があります。

高齢者の熱中症を防ぐ方法

高齢者の熱中症を防ぐためには以下の点に注意しましょう。

 

  1. こまめに水分を補給してもらう

のどの渇きを感じにくくなっているため、十分な水分を補給できていない可能性があります。水分を摂るように声掛けをしましょう。トイレに行きたくなくて、水分を摂っていないのに「もう飲んだ」というケースも多く見られます。いつ、どれくらい飲んだかきちんとチェックすると安心です。特に、入浴と就寝の前後にはしっかり水分を摂ってもらうようにしましょう。

 

  1. 気温と共に湿度も管理

熱中症を予防するためには、気温を28度以下に設定する必要があります。しかし、温度の感じ方は人によって異なり、冷房が苦手という高齢者も少なくありません。熱中症の原因は高温多湿ですから、温度を下げず湿度を下げるということも有効です。

 

  1. 涼しい服装で過ごしてもらう

熱中症対策には、服装選びも大切です。ゆったりとしたサイズで、通気性や吸湿性、速乾性に優れた素材の衣服を選ぶことで、涼しく過ごせます。屋外に出る場合は、熱を吸収しにくい色を選ぶことも大事です。

いかがでしたか? 介護職員にとって、熱中症対策がいかに大切かよくわかったのではないでしょうか。しかし、熱中症は過ごす環境に左右されるため、介護職員が個人でできることには限りがあります。熱中症を予防しながらしっかりとした介護を行うためにも、働く環境は選びたいところですね。転職を考えているのであれば、ぜひ 大阪介護転職ネット に相談してください。経験豊富なキャリアアドバイザーがあなたにぴったりの転職先を一緒に探してくれますよ。