◤介護現場で役立つ◢ 知っておくと便利な医療用語|エデム編

2024.05.20掲載
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お役立ち情報

 

こんにちは。大阪介護転職ネットです。

 

介護現場や病院で働く介護職員にとって、医療用語の知識は非常に重要です。

特に、病院勤務の介護職員は、医療用語に触れる機会が日常的に多いでしょう。老健や特養、デイサービスなどの介護施設でも、看護師との情報交換でよく耳にするのではないでしょうか。

 

基本的な医療用語を理解することによって、介護現場でのコミュニケーションが円滑になり、より効率的なケアが可能になります。


今回は、介護現場で役立つ、介護職員が知っておくべき看護用語「エデム(浮腫)」について、簡単にまとめました。
エデムが起きるメカニズムや原因、発生機序など、医療的な観点から解説しています。ぜひ最後まで読んでください。

 

 

 

 

 エデムとは

 

エデムとは、簡単に言うと、体内の余分な水分により顔や手足などの末端が腫れる症状のことです。

一般的には「浮腫」や「むくみ」と呼ばれます。むくみといった表現は、医療現場だけではなく、日常生活でもよく使用するでしょう。病院や施設によっては「エデーマ」「エデーム」などともいいます。

 

さて、エデムは一体、なぜ起きるのでしょうか。基礎を詳しく紐解いていきましょう。(以下より、分かりやすさのためエデムを「浮腫」と呼ぶ)

 

 

先ほど「体内の余分な水分によって手足などが腫れる」と述べましたが、これを医学的な観点から説明すると「間質液(組織液)が正常よりも増えた状態」と表現します。この「間質液」とは何か、ひとつずつ解説していきましょう。

 

まず、人間の身体は、固形部分が40%、水分が60%を占めています。そして、水分は「細胞内液」「細胞外液」に分けられます。さらに、細胞外液は「血漿」「間質液」の二つに分けられます。この「間質液」が通常よりも増えてしまうことによって浮腫が発生する、という仕組みです。ちなみに、血漿とは血液の液体部分のことを指します。

 
 Pointo 

◆ 固形【40%】
◆ 水分【60%】
 ↳細胞内液:40%
 ↳細胞外液:20% [血漿5%|間質液15%]

 

 

 

 浮腫が起きるメカニズム
 
 

浮腫が起きる原因としては、以下のうちいずれか、またはその両方によって発生します。

◆毛細血管などから組織間質への体液移動の増加
◆組織間質から毛細血管、リンパ管への体液移動の減少

 


体液の移動を水道の蛇口に例えると「毛細血管から組織間質への体液移動の増加」とは、毛細血管(蛇口)から体液(水)が出て、組織間質(洗面台)に流れていくような状態を指します。蛇口をひねる力が強ければ強いほど、多くの水が排出されるでしょう。

そして、水(体液)が洗面台(組織間質)から排水口(毛細血管とリンパ管)へ流れる際も、排出される体液が減る場合、バランスが悪くなります。これらが、浮腫を引き起こすメカニズムです。

 

 

 

 浮腫の発生機序

 

発生機序は、以下の4つの要素のうちひとつ、またはそれ以上が関与します。それぞれの内容を、簡潔にまとめました。

 

▼ 毛細血管静水圧の上昇
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
毛細血管の中のある、静水圧という血液の圧力が上昇して、血液中の水分が血管の外に排出されやすくなり、浮腫が発生します。


▼ 血漿膠質浸透圧の低下
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
血液は、水分と塩分、タンパク質から成り立っています。タンパク質は、血液中の水分を引き付ける力があり、これを膠質浸透圧といいます。膠質浸透圧の低下によって、血液中の水分が血管の外に出やすくなり、浮腫の原因となります。


▼ 毛細血管の透過性亢進
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
通常、毛細血管は、酸素や二酸化炭素、水分、脂肪などといった小さな分子が通過しますが、タンパク質などの大きな分子は通過できません。しかし、何らかの原因で、毛細血管の壁がスカスカ状態になった場合、大きな物質も通過できるようになってしまい、浮腫が発生します。


▼ リンパ系の閉塞
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
リンパ系は、身体の中にあるごみ収集車のようなものです。体内の余分な水分などを集めて血液中に戻す役割を持ちます。しかし、リンパ管がつまるとうまく機能せず、不要な水分が体の中に溜まってしまい、浮腫を引き起こします。

 

 

 浮腫の分類と原因

 

浮腫は、大きく分けて「全身性浮腫」「局所性浮腫」のふたつに分類されます。各分類の説明と、主な原因疾患は以下のとおりです。

 

◤全身性浮腫◢
 手首や足首、足の甲など、全身に起こる浮腫。
 心性、腎性、肝性、内分泌性、栄養障害性、薬剤性
 

◤局所性浮腫◢
 特定の箇所にのみ浮腫が発生。
 静脈性、炎症性、血管神経性、内分泌性、体位性

 

 まとめ

 

いかがでしたか。エデム(浮腫)は一般的によく使用される言葉ですが、詳しいメカニズムはあまり知らない、という方も少なくありません。今回は、医療的な視点から、簡単に解説しました。

エデムの分類や、その背景にある疾患を把握することで、利用者さまにより適切なケアを提供できるでしょう。

 

 

 

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