誰のための介護?目的を忘れてしまうほど忙しくしていませんか。
こんにちは。大阪介護転職ネットです。
突然ですが、みなさんはご自分の両親や兄弟、そして友人についてどれだけ多くの事を知っていますか?
好物や趣味、最近ハマっているもの、髪型や服装の好みなど色々挙げられますよね。 では少し質問を変えてみましょう。 あなたがその親しい人たちにプレゼントをあげるとき、今一番欲しいと思っている物を直ぐに言い当てられる事はできますか?
できる!と躊躇なく答えられた方は素晴らしいと思います。
しかしほとんどの方々は「いいえ」と答えるでしょう。 きっと仮にそれが誕生日プレゼントだとしたら、あげたい人の誕生日が来る少し前に計画を立てて、何が欲しいかな?とリサーチをしますよね。 友人の好みくらい分かるよ!と思われる方もいるかもしれませんが、人は月日が経てば好みや趣味が変わってしまいます。 それに、自分が持っている情報だけで決めてしまうのはもったいないと思っていたので、 わたしはよく、共通の知人に聞いたりもしていました。
もっとも、介護の業界では特に、利用者さんの状況やニーズに合わせた適切な支援をする為、常に新しい情報が必要になります。
「〇〇さんが散歩をしたいようなので付き添いお願いします」とか、「今日は〇〇さんの体調が悪いので入浴はやめておきましょう」とか、 前の時間帯の介護スタッフから次の時間帯の介護スタッフへの伝達として、申し送りを行うのはそういった意味もありますよね。 しかし、伝える目的によっては情報そのものに意味を持たなくなってしまうこともあります。
とある介護施設で働いていた時のことです。月に何度かショートステイをご利用される方でした。 少し利用者さんの状況を詳しくお伝えしますと、Aさん(仮名)は要介護度が高く、 食事は口から摂取されるものの日常生活の殆どは介助が必要で、意思の疎通も取りにくい方でした。 ご自分で身体のバランスを取るのも難しく、一日の大半はベッド上で過ごされますが、 食事の時間は共有スペースへ行き、娘さんのご希望もあって、車椅子ではなく普通の椅子に座って食べていました。
この娘さんというのがAさんのキーパーソンにあたる方で、送り迎えや情報共有、さらには、(施設での様子が気になるのか)ショートステイの利用期間中はほぼ毎日面会に来られていました。
その面会にて娘さんはいつも職員宛てに、Aさんに関わる施設内でやってほしい事を用紙に記載して渡していました。 ショートステイである為、直近の様子を詳しく教えて頂けるのはありがたいのですが、 その内容というのが、Aさんに直接関わる内容ばかりではなかったのです。
例えば、Aさんが使用する入歯の洗い方であったり、持参をされた洋服の選び方(コーディネートの仕方)であったり、 時には、専門的な視点から見て行っている行動について意見をされる事もありました。 その一つが、立位も難しく歩行困難であるのに、共有スペースまでの移動は車椅子ではなく歩かせてほしいという事。 他にも色々あり、排泄はベッド上のオムツ交換ではなくトイレでしてもらいたい、等々でした。
もちろん言うまでもなく手引き歩行では難しいので、娘さんが面会に来られている間は、 職員が二人掛かりでAさんを抱えて共有スペースまで移動をしていました。⇒もはや職員たちの筋トレ状態。娘さんの言いたい事もよく分かるのですが、これに関して一番負担が掛かっているのはAさん本人であり、 娘さんへのパフォーマンスになってしまっている事に毎回申し訳なさを感じていました。
「情報を共有する」という意味合いでは、ご家族との連携も必要ですし、そのご家族へのケアというのも、介護職員たちのお仕事の一つになります。 ただ、要望の内容によっては、利用者さんの介護と直接関わりのないもに対してしっかり線引きをし、 誰の介護なのかを今一度考えなければなりません。
また今回はご家族のお話でしたが、私たち介護職員も同様です。 利用者さん一人ひとりのその方らしい生活を実現できていますか? 無意識に効率が最優先になっていませんか?
ゆっくりで大丈夫ですので、目的を忘れず、忙しい時にこそ心掛けてみましょう。
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