《2022年》第34回(令和3年度)介護福祉士国家試験対策~過去問題解説⑧~
こんにちは。大阪介護転職ネットです!
来年の1月に第34回(令和3年度)介護福祉士国家試験の筆記試験が予定されています。出題傾向の高い過去問題を取り上げ解説してみましたので、隙間時間を利用して繰り返し読んでいただき、皆さんの試験対策に少しでもお役に立てれば幸いです。すでに資格を持っている方は、これを機会にぜひ復習をしてみてはいかがでしょうか。
参考サイト:社会福祉振興・試験センター
http://www.sssc.or.jp/kaigo/tetsuzuki.html
今回の過去問題は、具体的な「コミュニケーション技術」について取り上げました。
利用者の状況・状態に応じたコミュニケーションの技法の中から、過去問題を4問解説していますので、試験までに語句の意味や技法の種類、考え方などについて理解をしておきましょう。
《過去問題&答え&解説》
【次の事例を読んで、問題1、問題2について答えなさい】
Kさん(75歳女性)は、小学校教諭を定年退職した後、しばらく趣味やボランティア活動を楽しんでいたが、認知症(dementia)を発症し、介護老人福祉施設に入所した。見当識障害や記憶力低下がみられた。入所後、初めて息子夫婦が面会に来た。Kさんは息子に向かって、「ここで国語を教えているの」と嬉しそうに語った。息子夫婦は面会を終えて、介護福祉職のところに相談したい、とやってきた。困惑したような表情の息子から、「母が学校で教えていると言ったとき、どうしたら良いでしょうか」と質問があった。
【問題1 認知症の家族とのコミュニケーション】
このときの息子に対する応答として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1「ここは学校ではないので、息子さんから直してあげてください」
2「お母さんの教員としての誇りを大切にしてあげてください」
3「お母さんの認識を改めるための何か良い知恵はありますか」
4「認知症(dementia)が進行しているのでしかたありません」
5「私たちも息子さんと同じように困っているんです」
答え:〇2 「お母さんの教員としての誇りを大切にしてあげてください」
解説:認知症高齢者の介護では、本人の自尊心を尊重する必要がある。
×1「ここは学校ではないので、息子さんから直してあげてください」
解説:介護福祉職は、Kさんを介護する息子の悩みに耳を傾け、その気持ちを受容していくように努めなければならない。また、認知症高齢者に対して否定的な言葉や態度、行動は禁物である。
×3「お母さんの認識を改めるための何か良い知恵はありますか」
解説:Kさんの発言内容に困惑し相談している息子に対しては、介護福祉職が質問を投げかけることは不適切な対応である。
×4「認知症(dementia)が進行しているのでしかたありません」
解説:Kさんの発言内容に困惑し相談している息子に対しては、介護福祉職が質問を投げかけることは不適切な対応である。
×5「私たちも息子さんと同じように困っているんです」
解説:Kさんの発言内容に困惑し相談している息子に対しては、介護福祉職が質問を投げかけることは不適切な対応である。
【問題2 知覚機能が低下している人とのコミュニケーション】
Kさんの病状は進み、自分から話すことはほとんどなくなり、こちらの問いかけにも応えたり応えなかったり、という状況になった。このようなKさんとコミュニケーションを取る方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1沈黙を守る。
2表情を一定に保つ。
3開かれた質問をする。
4ボディタッチを増やす。
5コミュニケーションノートを使う。
答え:〇4 ボディタッチを増やす。
解説:認知症高齢者とのコミュニケーションでは、肩などに優しく触れるなど、ボディタッチを増やすことは、人間関係を親密にする効果がある。
×1沈黙を守る。
解説:認知症高齢者とのコミュニケーションでは、会話が成り立つかどうかにかかわらず、これから行うことや、何のために行うかなどを、優しい声で話しかけながらケアを行い、安心感を与えることが大切である。
×2表情を一定に保つ。
解説:認知症高齢者とのコミュニケーションでは、正面から徐々に近づき、視線が合ったら笑顔で話しかけるようにする。
×3開かれた質問をする。
解説:認知症高齢者とのコミュニケーションでは、「はい」「いいえ」など、一言でこたえられるような閉じられた質問を行う。
×5コミュニケーションノートを使う。
解説:コミュニケーションノートは、失語症の人に用いられるコミュニケーション手段である。
【問題3 抑うつ状態の人とのコミュニケーション】
抑うつ状態(depressive state)の利用者への介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1元気を出すように言う。
2沈黙している理由を問いただす。
3会話を促す。
4気晴らしに散歩に誘う。
5見守っていることを伝える。
答え:〇5見守っていることを伝える。
解説:「あなたのことをいつも見守っていますよ、あなたの味方ですよ」と伝えることは、信頼関係を築くためにも重要なことで、最も適切な対応。
×1元気を出すように言う。
解説:抑うつ状態の利用者に対して励ますのは厳禁。受容的な態度で接し、信頼関係を築くことが大切。
×2沈黙している理由を問いただす。
解説:「沈黙の理由を問いただす」のではなく、自発的な発言があるまでじっくりと待つ姿勢が求められる。
×3会話を促す。
解説:「会話を促す」のではなく、自発的な発言があるまでじっくりと待つ姿勢が求められる。
×4気晴らしに散歩に誘う。
解説:「気晴らしに散歩に誘う」ことは、信頼関係を築くことに繋がるが、利用者には意図が伝わりにくいので最も適切とは言えない。
【問題4 終末期の人とのコミュニケーション】
Aさん(97歳女性)は、介護老人福祉施設に入所している。最近、衰弱が進んで水も飲めなくなり、「もう逝ってもいいんだけどね」とつぶやくことが増えた。ある日、夜勤の介護福祉職がAさんの様子を確認しようとベッドに近づくと、Aさんが目を開けて、「お迎えはまだかしらね」と穏やかな顔で言った。Aさんの発言に対する介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1何も考えずに早く寝た方がいいと就寝を促す。
2Aさんの手を握り、ゆっくりさする。
3そのような言葉を言ってはいけないと伝える。
4明日、家族に連絡して来てもらうことを伝える。
5いつものことだと思って、声をかけずにそのまま部屋を出る。
答え:〇2 Aさんの手を握り、ゆっくりさする。
解説:「手を握り、ゆっくりさする」ことは、「見守ってくれている」と安心感を与え、穏やかな眠りを誘うことになるので、適切な対応。
×1何も考えずに早く寝た方がいいと就寝を促す。
解説:「就寝を促す」ことは、気持ちを受容しているとはいえない。
×3そのような言葉を言ってはいけないと伝える。
解説:「発言を注意する」ことは、Aさんの思いを否定することになるので不適切。
×4明日、家族に連絡して来てもらうことを伝える。
解説:「家族に連絡する」ことをAさんが望んでいるかどうか分からないので、不適切。
×5いつものことだと思って、声をかけずにそのまま部屋を出る。
解説:この対応では、Aさんは「私のことを無視した」と思い、心を穏やかに保つことができない。
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介護福祉士国家試験に限らず、有効な試験勉強として、何度も繰り返し読むということが挙げられます。また、反復しながら読んでいくと、読んだことが脳細胞に刻み込まれて、より記憶が定着しやすいそうです。
例えば、今日、対策①、②、③を読んだら、明日は、②、③、④を読む、その翌日は、③、④、⑤、その次の日は、④、⑤、⑥、その次の日は・・・という風に、読み進めていくと、いつの間にか覚えているそうです。
受験生の皆さんも、何度も繰り返し読んで覚えてみてくださいね。すでに資格を持っている方は、復習の意味で活用していただければ幸いです。「大阪介護転職ネット」は、皆さんを全力で応援します!