《2022年》第34回(令和3年度)介護福祉士国家試験対策~過去問題解説⑦~

2021.11.29掲載
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お役立ち情報

こんにちは。大阪介護転職ネットです!

 来年の1月に第34回(令和3年度)介護福祉士国家試験の筆記試験が予定されています。出題傾向の高い過去問題を取り上げ解説してみましたので、隙間時間を利用して繰り返し読んでいただき、皆さんの試験対策に少しでもお役に立てれば幸いです。すでに資格を持っている方は、これを機会にぜひ復習をしてみてはいかがでしょうか。

 

参考サイト:社会福祉振興・試験センター
http://www.sssc.or.jp/kaigo/tetsuzuki.html

 

 


今回の過去問題は、第1回から6回に引き続き、「人間関係とコミュニケーション」の内容から、より具体的な「コミュニケーション技術」について取り上げました。

利用者の状況・状態に応じたコミュニケーションの技法の中から、過去問題を4問解説していますので、試験までに語句の意味や技法の種類、考え方などについて理解をしておきましょう。


《過去問題&答え&解説》


【次の事例を読んで、問題1、問題2について答えなさい】

Fさん(80歳女性)は、2週間前にリハビリテーション病院から介護老人保健施設に入所した。脳梗塞(Cerebral infarction)の後遺症のため、構音障害と嚥下障害がある。また、よだれが流れて衣服が濡れてしまうことが多い。食事は、とろみをつけた刻み食をひとりで摂取できるが、むせることが多い。介護福祉職がFさんに「何を食べたいですか」と尋ねると、「おいうをあえあい(お肉を食べたいの意味」という不明瞭な発話が返ってきた。

【問題1 構音障害のある人とのコミュニケーション】

Fさんが「おいうをあえあい」と話した時の介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1「正確に言い直してください」と促す。

2「おにく」と自分が聞き取れた通りに繰り返す。

3「口の体操をしましょう」と促す。

4「よだれを拭いてください」とタオルを渡す。

5「言いたいことをすべて書いてください」と言う。

ポイントチェック!

答え:2 「おにく」と自分が聞き取れた通りに繰り返す。
解説:聞き取れた通りに「おにく」と繰り返して、お互いに内容を確認し合いながら、会話を進めていくことが大切で、最も適切な対応と言えます。
×
1「正確に言い直してください」と促す。
解説:構音障害のある人に対して言い直しを促すことは、プレッシャーを与え、話すことに恐怖感を抱かせる恐れがあるので不適切です。命令的とも受け取れる口調も避ける必要があります。


×
3「口の体操をしましょう」と促す。
解説:この場面では、Fさんが発した言葉に対する返答が求められます。Fさんが不快感を抱いてしまうような対応は不適切です。


×
4「よだれを拭いてください」とタオルを渡す。
解説:よだれを拭くことよりも、まずはFさんが発した言葉に返答をすることが先です。


×
5「言いたいことをすべて書いてください」と言う。
解説:筆談を用いることも有効なコミュニケーションの方法ですが、この事例の状況下では、Fさんの話そうとする気持ちを尊重することが大切です。


ワンポインアドバイス!

 

【問題2 嚥下障害のある人とのコミュニケーション】

Fさんの食事場面でのコミュニケーションに関する記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1絶えず話しかける。

2メニューを説明する程度の声かけにとどめる。

3急いで飲み込むように促す。

4今までで、一番思い出に残る食事は何かを聞く。

5一口ごとに、必ず水を飲むように促す。


答え:2 メニューを説明する程度の声かけにとどめる。
解説:Fさんがゆっくりと自分のペースで食事がとれるように、メニューの説明程度の声かけが適切と言えます。


×
1絶えず話しかける。
解説:Fさんには嚥下障害があります。自分のペースで咀嚼や嚥下ができるように、口の中に食べ物が入っているときは話しかけないようにしましょう。


×
3急いで飲み込むように促す。
解説:嚥下障害があることから、急いで飲み込むと誤嚥の危険性があります。


×
4今までで、一番思い出に残る食事は何かを聞く。
解説:食事場面でなくてもできる質問は、控えることが適切です。


×
5一口ごとに、必ず水を飲むように促す。
解説:口腔内が乾燥していると嚥下しにくいので、食事の前に水で口の中を潤すようにしてもらいましょう。一口ごとに促すのは適切ではありません。

 

 

 

【問題3 運動機能が低下している人とのコミュニケーション】

Hさん(75歳男性)は、脳梗塞(Cerebral infarction)を発症して入院し、後遺症として左片麻痺が残った。退院後、介護老人保健施設に入所し、在宅復帰を目指してリハビリテーションに取り組んでいる。ある日、HさんはJ介護福祉職に、「リハビリを頑張っているけれど、なかなかうまくいかない。このままで自宅に戻れるようになるのか・・・」と暗い表情で話しかけてきた。この時のHさんに対するJ介護福祉職の共感的な応答として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1「不安な気持ちに負けてはいけません」

2「きっと自宅に戻れますよ」

3「Hさんが不安に思う必要はありません」

4「不安に思っているHさんがかわいそうです」

5「リハビリが上手くいかなくて不安なのですね」


ポイントチェック!


答え:5「リハビリが上手くいかなくて不安なのですね」
解説:J介護福祉職のこの発言は、Hさんの発言と、そこに含まれる感情の両方をしっかりと受け止めており、共感的な応答と言えます。


×
1「不安な気持ちに負けてはいけません」
解説:安易な励ましは、専門職としては不適切な対応です。


×
2「きっと自宅に戻れますよ」
解説:根拠のない断言は、専門職としては不適切な対応です。


×
3「Hさんが不安に思う必要はありません」
解説:Hさんの発言を否定するような言葉かけは、専門職としては不適切な対応です。


×
4「不安に思っているHさんがかわいそうです」
解説:「かわいそう」と受け止めるのは同情であり、共感とは異なります。

 

【問題4 統合失調症のある人とのコミュニケーション】

Lさん(30歳女性)は、パートタイムで仕事をしながら、自宅で母の介護をしてきた。ある日、母の訪問介護(ホームヘルプサービス)で訪れたⅯ訪問介護員(ホームヘルパー)に対してLさんは、「寝ている間に頭の中に機械が埋め込まれて、行動を監視されている」と興奮気味に訴えた。この時のⅯ訪問介護員の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1それは現実の事ではないと説明する。

2気にしなくてもよいと話をそらす。

3Lさんの訴えを肯定も否定もせずに聞く。

4監視されているのは間違いないと肯定する。

5Lさんの感情に合わせて興奮気味に接する。


ポイントチェック!

答え:3 Lさんの訴えを肯定も否定もせずに聞く。
解説:統合失調症の人への対応では、内容を肯定も否定もせずに、Lさんの感じていることや状態を受け入れることが大切です。


×
1それは現実の事ではないと説明する。
解説:事例の「行動を監視されている」という症状は、統合失調症にみられる注察妄想です。現実的にはありえない内容であっても、否定したり話をそらしたりせずに、Lさん本人にとっては現実であると受け止め、受容的な姿勢で関わることが必要です。


×
2気にしなくてもよいと話をそらす。
解説:問題1の解説と同じです。


×
4監視されているのは間違いないと肯定する。
解説:妄想の内容を肯定することで、妄想を深める可能性があるため、適切ではありません。


×
5Lさんの感情に合わせて興奮気味に接する。
解説:Lさんの感情表出に対し、Ⅿ訪問介護員は、意図的かつ適切に対応していくことが求められます。これを統制された情緒関与と言います。

 

 

 


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介護福祉士国家試験に限らず、有効な試験勉強として、何度も繰り返し読むということが挙げられます。また、反復しながら読んでいくと、読んだことが脳細胞に刻み込まれて、より記憶が定着しやすいそうです。

例えば、今日、対策①、②、③を読んだら、明日は、②、③、④を読む、その翌日は、③、④、⑤、その次の日は、④、⑤、⑥、その次の日は・・・という風に、読み進めていくと、いつの間にか覚えているそうです。

受験生の皆さんも、何度も繰り返し読んで覚えてみてくださいね。すでに資格を持っている方は、復習の意味で活用していただければ幸いです。大阪介護転職ネットは、皆さんを全力で応援します!

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